2006/06/30
『夏の庭』から別の戸口へ
湯本香樹実さんを2冊読みました
『夏の庭』を読み返したい季節になってきたなぁと思ったときにたまたま本屋さんで目に入ってきたんです
湯本さんの本は一気に読める手軽さと内包されている子どもと老人の関わり方が魅力だなとこの2冊で改めて思いました
少年と少女は大人に守られながら自我と強さを育んでいく多感な時期
老人はいろいろを経てきたゆえのこだわりとか仮面とか頑固さで自分を支えながら生きている日々
この別々の立場に接点ができたときの最初の空気の緊張感、そしてその空気の中に本当にさり気なく導いてくれる導入部、大好きです
気がつけば空気の中に温度、色、臭いまで感じるようになり、それが思い出という形で語られていることに悲しみを感じ、思わず自分の中にもこういうひと時があったかと探してみたり
(笑顔という殻で武装してた子どもだったもので探しても全然見つからないんですけどね:笑)
『ポプラの秋』のおばあさんが特に好きです
手紙を運ぶ役目、という自らに負わせた役目とそのおばあさんと接点があったみんなとの関係が
どころなく映画『ビッグフィッシュ』の最後の方を思い出しました
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