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『ナイチンゲールの沈黙』『ジェネラル・ルージュの伝言』『螺鈿迷宮』

3冊続けて読んで夜中に目を回していた阿呆です(笑)
そうせずにはいられない引力がこの3作品にはあります
光と闇
病院と言う建物、或いは人の集合の中で描き出される鮮やかさと、その中で輝く『美』
1作目『チーム・バチスタの栄光』では恐らくほんの片鱗しか美意識と言うか嗜好の気配が濃くなった作品たちは極上のエンターテインメントでした

実は、読んだ順番はちょっと違ったのです
amazonへの注文時に間違えて、『ナイチンゲール~』を抜かしてしまったため、バチスタの次に読んだのは『ジェネラル・ルージュの凱旋』でした



チーム・バチスタを読んでから、とにかく田口&白鳥コンビと白鳥の唯一の部下だと言う氷姫に会いたくてむずむずしていました。それを思い切り満たしてくれた作品です^^
密かにファンである高階病院長と田口講師の会話も楽しめ、将軍速水の鮮やかな姿に心グラグラできちゃったりします。
が、一番楽しかったのが、やはり、氷姫。
思わず応援したくなる生真面目タイプの偏人さんです。
ただ・・・・・
そうかぁ、彼女、背が高いんだ
いや、その背の高さがまたいいんですが、もしもバチスタの映画が成功して白鳥=阿部さんのイメージでいくとするとキャスティングが難しそうですね(笑)
とにかく、この姫宮さんに会えたのが楽しかったです。
注文ミスで『螺鈿迷宮』を一緒に頼んでおいたのは大正解。
ここで、こういう形の姫宮さんに会えた理由が、向こうでよくわかります。

出版された順番とは違ってしまいましたが3部作の最後に読んだのが『ナイチンゲールの沈黙』



これが、また、中で出会える幾つかの『美』がもろに嗜好ピッタリで大変困りました(笑)
バチスタの時にはちょっとおまけ的だった男女の間の心の通い合いと誤解やすれ違いが、このナイチンゲール、そしてジェネラル・ルージュでは物語の中の大きな軸になっているのを感じます
一瞬、作者の海堂さんって女性だったかな?と思い、思わず確認しました
いえいえ、男性のお医者様でした、やはり
そう、確かにバチスタを読んだ時、描き出される院長やグッチー先生、火喰い鳥さんたちのリアルな姿と体温に、作者は男性だと自然に思っていたのですが、それが少しばかり揺らぐほど、女性達が綺麗で張り詰めた透明なガラスのようでした
・・・・ああ、そうか、ちょっと綺麗過ぎるかな?(笑)

光と闇を描きながら、過度に明るすぎず、シリアスすぎずに進んでいく物語はとても読みやすいです
その中に必ず埋め込まれている『AI』への作者さんのメッセージに思えるものに自然と興味が湧きます
こうして人の気持ちを特定の事物にむけることができるのはすごいな、と思いつつその興味を継続させるのは大変だろう・・・と余計な心配をしてしまうほど

海堂さんは医者として相当異端児と見なされているのだろうか
そこら辺も気になります

ER、小児科、愚痴外来、そしてMRI検査
頭の中に浮かび上がる光景と一緒にひとつずつがとても身近になっていきます
特に、今回は子ども達
おお、ケロロ!とにんまりしながら読ませてくれた小さな2人と子どもと大人の中間の眩しさを感じさせれくれた年長の2人
彼らの笑顔を想像すると、妙に切なくなってしまうのです


シリーズ3作通して、藤原看護士の大ファンです
そこに猫田さんも加わって、もっともっと彼女達の物語を読みたいと願っています
だから、多分若かりし日の高階さんと藤原さんに会えるはずの『ブラックペアン 1988』がとても楽しみなのです


シリーズとは少しだけ距離がある作品が『螺鈿迷宮』



田口&白鳥コンビではなく、医学生天馬大吉が主人公の物語です
・・・・わたしが熱烈応援していたのは姫宮さんですが(笑)

この作品は、これまでの3作の中で恐らくちょっとダークで謎なイメージを抱いている桜宮病院が舞台
ひとつの扉が開くたびに闇の正体を見せながら、なぜか明るい光と笑い声を忘れられない場所でした
これは主に三婆さんの効果だと思うのですが、末期医療について自分の中に眠っていた疑問を引っ張り出された気がします

紡がれていくのは光、闇、泥、薫り高い花々・・・様々なものによってそこに成り立っている迷宮
一見して分かりやすい伏線とそうではなく本当にそっと引かれている伏線によって織り成される物語、面白かったです
最後に感じさせてもらえた予感ができれば現実になってくれること・・・・それを待っています
もしかしたらそれはとても怖い物語になってしまうのかもしれませんが

今回読んだ3冊とバチスタをあわせて4冊
共通して感じたことは読んでいると頭の中に浮かんでくる映像、そして耳に聞こえてくる音がとても鮮やかだということでした
映画にしたくなるのはわかるなぁ・・・・そう思える作品です

でも・・・・
わたしは髪がもじゃもじゃのよれよれ白衣のグッチー先生とブランド満艦飾の小太り白鳥が大好きなんだけどなァ(笑)
きっとそのうち映画館に行ってちょっと小奇麗にセンスアップされたバチスタを見てこようと思います
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by hanipyon  at 09:10 |  旅の入り口 |  comment (0)  |  trackback (0)  |  page top ↑
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