2006/10/01
本当ならこのシリーズの最初のお話は「コーンウォールの聖杯」で、ガメリーとドルー家の3人に会うはずなのですが。
悩んだ末、やはり「光の六つのしるし」から読むことにしました。「コーンウォール~」は一番最後か、もしかしたら次の「緑の妖婆」に進む前に読もうかな?
冬至前夜
ここで読み終わるのが苦しい気持ちで本を閉じました
でも、一章ずつというのは普段よりもじっくりと読むことが出来ますね
今回は特に情景描写の素晴らしさ、心に迫る緊迫感に感動のため息をつきました
「広い空はすっかり灰色で、降ってこようとしない雪をはらんでいる」(13pL1~L2)
この短い一文だけですでに心がゾクゾクしました
まさに、慣れ親しんだ冬空
情景が頭の中に広がります
雪をはらむ、なんて日常会話では滅多に使わないと思うのですが、こういう雰囲気溢れる言葉を訳文に盛り込んでくださった浅羽さんを改めて大好きになります
近年沢山出版されたファンタジー作品の訳文に感じるのは、ただ読みやすさを狙っているゆえのストレートな表現と文末の締め方で、それがかえって読みにくく感じることも多いです。だから、店頭で最初の数ページを読んだあとに購入したくなるものは少ないです。ある意味幸いかもしれませんが(笑)
ああ、そうだ、ジェイムズだった、ポールだった、スティーヴンだった・・・・と再会の懐かしさを感じながらマギーの名前を見て心臓が軽くひっくり返ったり
そう言えば、何度読んでも自分は最初のしるしをウィルに渡したのがドースンさんだったことを忘れてる!とか
雪の白とミヤマガラスの黒い羽の対比にこれは映像で見たいなと思ったり(とは言え、映画化にはまだ不安がいっぱいです)
そして何より、ウィルが「老けた11歳」と言われながらもジェイムズと取っ組み合いをしたり、照れくさがったり、まだ本当に子どもらしい子どもで・・・・・
ここで胸が熱くなるのは、指輪物語を一度最後まで読んだ後であの「序」に戻るのとよく似てるなぁ・・・・時間軸的には逆ですが
先に進むのがちょっと怖くなったりします
胃袋的チェックポイントは カリフラワー・チーズ
わたしはずっとカリフラワーが苦手で、今も実は好物とは言えません
ブロッコリーは好きなのになぁといつも不思議です
そんな自分にはカリフラワーとチーズの組み合わせは地味に衝撃で、今もいろいろ想像してしまいます
溶かしチーズをかけるのか?
粉チーズをまぶすのか?
どんな?どんな?
読むたびにウィルが望んだ「レバーとベーコン」よりもこっちの方が気になってしまうのです(笑)
今回、本当はこれは原書と平行して読みたいなと強く思いました
結局、まだ購入していない原書
自分は生きた英語感覚ゼロの人間ですが、それでもどんな雰囲気の英文を浅羽さんがこういう味わいに変換されたのかとても興味があります
これを機会に思い切って熱帯雨林でポチッとしようかな・・・・
もしもお勧めの版がありましたらぜひぜひ教えてください
by hanipyon at 15:24 |
闇の戦い |
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